イギリスらしいどんよりとした曇り空を期待(?)していたのに
毎日毎日ピッカピッカの晴天続き。
しっかりと日焼け止めクリームを塗りたくって
自転車にまたがる。
が、タイヤは空気が抜け切ってペコペコにヘタっている。
「イギリスの田舎道をサイクリング」というのが
ワタシのささやかな夢だったのだ。
親戚から借りたマウンテンバイクは
長年未使用で新品同様なのはイイとしても
空気入れもないという。
近所の自転車屋で空気をいれてもらい
ついでにこの地方のサイクリング・マップをもらう。
アイソの無い店の若オヤジは「2ポンド」を要求。
「日本やったら無料サービスやろ、フツー?!!」
ゲゲーッと反応しそうになるが、ココは日本ではない。
地図代と思うことにしておとなしく支払う。
(だけどサイクリング・マップは無料)
町で1軒の自転車屋なのだ。
また何か頼らないといけなくなる、かもしれんし・・・
(でも、2ポンドも出したら100均で空気入れ買えるのになぁ・・
ブツブツブツ・・・)
ココに来て間もないワタシは、ガラにもなくやや気弱なのだ。
気を取り直して自転車に乗ってみる。
ウォ~!初バイク in England だよ~!
とたんにご機嫌になる。
南イングランドの小さな町である。
ちょっと家並をはずれると、そこは延々と続く田園風景。
刈り取りが終わったばかりのホップの畑や
馬や牛や羊が草をむさぼり食ってる情景を左右に
細いゆるやかに曲がりくねる道路は
まさにワタシが思い描いていたイギリスの田舎そのものだ。
田舎ならではの牛馬の糞のニオイが、
ときおり突っ切って行く風に乗ってくるのもイイ
野うさぎが草の中をピョンピョンはねるのもカワイ~
田舎、サイコー!!!
うげっ!!!!!!!!
・・・・・・
イケナイものを見てしまったよ・・・
カワイイうさぎが車に轢かれてつぶれてた
自転車で亡骸を轢きそうになったよ
気の毒になぁ
ピョンピョン遊んでて運悪く車に・・・
成仏せいよ、うさぎ
・・・・・・・・!!!!
ううっ!またイケナイ姿が!
うさぎ、気ぃつけや~ 成仏 成仏・・・・
う!また!
えっ!また!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
結局、
たった1時間ほど自転車でグルリと近所の田舎めぐりをしていた間に
数えただけでも8羽のうさぎが
路上でひき潰されて無残な姿をさらしていたのだ。
うさぎには今のイギリスの道路状況はかなり過酷なのにちがいない。
そして、状況は自転車ライダーにも過酷であった。
車は田園風景を楽しみながらゆったり走ったりはしない。
もともと農道であったに違いない狭い道路を何の躊躇も無く高速で飛ばしていく。
ボヤボヤしてると自分が9羽目のうさぎになりそうなのが、恐ろしい。
うさぎを、哀れんだり
ビビリながら車をよけるために止まったり
イギリス人ドライバーの無神経をののしったり
と、忙しくて
のどかなサイクリングの夢はこうして消えた。