イギリスで生きてみる
by pirimiso
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エレファント
先週から時々、アメリカ、ミネソタ州のレッド・レイクで起こった
銃乱射事件のことを考えている。
犯人の少年は、映画「エレファント」の殺戮シ-ンを観て感激していたという。
映画はコロンバイン高校での事件をベースに作られたものである。
2人の少年が実行におよぶまでの時間経過と、
犠牲者たちが殺されるまでの時間とをリンクさせながら
再現フィルムのようにストーリーは進んでゆく。
犯人の2人の孤立感が、心に突き刺さってくる。
そして、犠牲になる者たちもみなそれぞれに孤独感とたたかっている。
華やかなグループからバカにされ傷つく少女の鬱積する思いは、
犯人の少年たちの絶望感よりも深いものであったかもしれない。
そしてまた、美しさを誇る少女らの側は
拒食症への道へと向かっているという皮肉さ。
出口がないように見える様々な現実に、
終止符を打とうとするかのように犯行が始まる。
恐怖を感じる間もない死。
逃げ隠れて息をひそめる恐怖の死。
一人一人があまりに生々しく
観るのがつらいシーンであった。

レッド・レイクの少年の心を躍らせたのは何だったのだろう。

アメリカでは、学校での銃撃事件は頻繁に起きている。
今回は犠牲者の数がコロンバインに続くものであったから、
日本でも配信されるニュースとなったのだろう。
特徴的な点は、それがネイティブの人々の居住地域であったこと。
この種の事件は、今のアメリカ社会のどこででもありうることで、
ネイティブの社会問題とは別個の事柄だという見方がされているようだが、
そうだろうか。
ネイティブの人々の状況が生む、アルコール、薬物の中毒や家庭崩壊や
子供の教育面の破綻が関係していないはずがないと思う。
そして、それは他の多くのアメリカ人の直面していることの縮図でもある。
ネイティブ・アメリカンの社会状況を見つめることは、
いまのアメリカの社会を考えるために必要なことなのだ。

こういった背景があることは考えに入れるとしても、
犯人の少年のこの極限の行為と、実行に至らせる心理については
違う角度から見る必要がある。
「心の闇」などという安易な言葉で括りたくはないのだ。
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by pirimiso | 2005-03-28 02:12 | JOEと映画を
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