イギリスで生きてみる
by pirimiso
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茶髪の誘惑
いま、この日本で染毛剤の誘惑からまぬがれている女は何%いるだろう。
先日、乗り合わせたエレベーターには7~8人の20代から30代と
思われる女性がいたが、ほぼ全てが茶髪と言える髪色だった。

これが、例えば40代から50代、60代から70代と年齢を変えて
調べてみたら、どういう結果が出るだろう。
近頃、70歳代とおぼしきご婦人達にも白髪頭は多くはない。
実際に、わたしの母はファッショナブルでもなんでもない70代の
バアちゃんだが、茶髪である。
「あんまり真っ白やったら、年寄りじみた気がしていやや。」と、のたまう。
たしかに、どんな気分でいられるかは大事な要素で、老け込む意識から
遠ざかる事ができるなら、それは効果的と言えるだろう。
お化粧の、心理面への影響をねらったメイクアップ・セラピー
というのがあるくらいだし。

プールで時々言葉を交し合う、まっ白な髪の年配のご婦人。
上品さのただよう表情と笑顔の愛らしさに、
「この人が少女の頃、どんなに綺麗だったことだろう。」と、
思いめぐらしてしまう。
この方が特に、“べっぴんさん”であることも確かなのだけど、
白髪をつややかに保っている事が、美しさの第一の理由だろうと思う。
よく高齢の女性が異様に真っ黒な毛染めをしているように
この方の髪が黒々していたり茶色だったら、
残念ながら、うっとりするようなマジックは消え去ってしまうだろう。

また、ある日のスーパーマーケットのレジにて。
わたし達の前に並ぶ女性の髪は、白髪まじりだった。
均等に黒い髪と白い髪が交じりあい、
自然な濃いグレーの色調を生んでいる。
「あなたのカミ、シロイ、クロイ、キレイです。」
たどたどしい言葉でJoeがその人に話しかける。
(Joeは、アメリカ人みたいに誰にでも話しかける。アメリカ人以上かも・・・。)
その女性は突然のガイジンの言葉に驚いていたが、うれしそうだった。
わたしは、ほめ言葉とはいえ「白髪を指摘するなんてシツレイやんか!」と
ドギマギしてしまった。
これは、わたしの中にやはり<白髪=ネガティブ>の先入観があるからだろう。
最近では見かけることが少なくなった、白髪まじりの髪の美しさをとらえた
Joeの感覚の方がずっと高感度だと思い知らされた。クヤシイ。

美意識の基準は、生活環境によって異なり、時代によってうつり
変わるものであるのは周知のこと。
現代の「美しさ」は、老いも若きも自分の「色」を覆い隠すことが
基準なのだろうか。
本来の「色」を欺かない潔さを持てるときに、標準的基準を超える「美」が
生まれることを心に確かめておきたい。
それは、生き方にも通じるフィロソフィーとして。

そう言うわたしも、せっせと髪を染める。
そろそろ地肌近くに目立ち始めた、白くのびた部分だけリタッチ染めしなくては。
本来の髪色に近い濃い褐色で染めているのだ。
若い頃からチラホラ白髪はあって、今では3分の1くらいが白髪かもしれない。
「顔も身体もこんなに若いのに、アンバランスやから。」
と、わたしは毛染めの度にアホな言い訳をする。

もう少し年取ったらナチュラルな白髪でいきたい。
いつか、あの綺麗な老婦人のような、
堂々と輝くおばあちゃんになりたいのだ。
問題は、いつから?ということ。
この決断、もう数年は先延ばしにしよう。
50になってから、考えよう。
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by pirimiso | 2005-04-07 12:24 | 日々の怒り?
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